【過呼吸の精神病理】
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1.過呼吸は、ストレスを
 きっかけに交感神経の働きが
 過剰になってしまうことが
 一つのきっかけで生じること
2.「言うに言えない」という
 精神面の状況を反映するのに
 過呼吸は最も適した身体反応で
 あるということ
 (精神面の状況を体の症状として表出する転換が生じている。)
3.過呼吸時、意識的に
 コントロールできるはずの呼吸が、
 コントロールできなくなること
     ↓↓↓
 意識的に呼吸を調整する神経が、
 過呼吸時には使用されると考えられる
 
2・3については、もう少し細かく説明させていただきます。
「言うに言えない」とは?
「言うに言えない」と「息をゆっくりはきたい」とのつながりとは?
普段、呼吸は自律神経により適度な回数に自動的に調整されています。また、話をする際や体操などの際に呼吸の回数を意識的に変えることも可能です。しかし、過呼吸の時には、早くなった呼吸を意識的にコントロールすることが困難となります。これは、意識的にコントロールする際に使われる神経が、過呼吸時には使えなくなっていることを示します。したがって、呼吸をゆっくりにしたい(「息をゆっくりはきたい」)という意思があるにもかかわらず、呼吸が頻回になってしまうというのが過呼吸の特徴です。
これは、精神的にストレスを感じている患者さんが、他者に助けを求めたいが、様々な理由から、助けを声に出して求められない状態とつながりやすいのです。
 

「息を意識的にゆっくりとはきたい」
→「意識的に呼吸できない」
    
「助けを声に出して言いたい」
→「助けを声に出して言えない」

この2つがどちらも同時に
制限されている状態が、
過呼吸の状況といえるのでは
ないでしょうか。
そして、どちらも

「息苦しい」

という状態となります。
 
この過呼吸という症状は、
精神面の言うに言えない叫びが
身体の症状となって表出した状態
といえると思います。
 
このような状況下では、
周りの人はどのように
関わるべきなのでしょうか。
 
患者さんの

「言いたいけれど、言えない」

をどれだけ言葉にしてもらえるか!

ここにポイントがあることは
間違いないですよね。
 
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
(※参考文献:過呼吸症候群の精神病理、花澤寿、千葉大学・教育学部養護教育)

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